食と農は、いのちに直結する問題

banana in chocolate cream

6月3日、19時から総代会記念講演会を開催します

長野県保険医協同組合6月3日 19時からZoomにより、「食と農/民主主義」というテーマで、総代会記念講演会を開催します。

高GABAトマト、肉厚マダイ、トラフグ、豚、トウモロコシ…。これらは最近、開発や行政への届け出などが行われているゲノム編集食品の一例です。すでに日本国内でも、ゲノム編集食品は登場しており、一部にはふるさと納税の返礼品となっているものもあります。

6月3日に開催する総代会記念講演会では、食と農の問題を社会に発信している印鑰智哉(いんやくともや)さんを講師にお招きし、ゲノム編集食品とその技術がどのようなものであるのか、それが抱える問題も含めてお話いただきます。

ゲノム編集食品とは?

そもそもゲノム編集技術とは、厚労省の定義によると「染色体上の特定の塩基配列を認識する酵素を用いてその塩基配列上の特定の部位を改変する技術」とされ、ゲノム編集食品は「ゲノム編集技術によって得られた生物の全部または一部、および、それらを含む生物」となっています。

2019年にはゲノム編集食品を販売する際のルールとして、ゲノム編集を行った後、その生物にとって外来の遺伝子が含まれていなければ組み換えDNA技術に当たらないとして、届出制(安全審査なし)となっています。こうしたゲノム編集食品は、在来の新品種開発に比べて、早く確実に新たな形質を持った種を開発できるとして、気候変動や人口増加から予想される食料不足の解決につながるなど、明るい未来が謳われています。

不確定要素も多い

一方で、宣伝されているほどゲノム編集食品を作る技術は確立されていないとも指摘があります。アメリカでは、ゲノム編集による角のない乳牛から、外来遺伝子である抗生物質耐性遺伝子が検出されたとFDA(食品医薬品局)が発表する事例がありました。また、複雑で膨大な情報量をもつ遺伝子に対して、現行のゲノム編集技術では本来意図した場所とは別の場所を操作してしまう、オフターゲットの危険性も存在します。

グローバル資本の標的に

ゲノム編集食品に使われる技術はグローバル資本に独占されており、さらに日本国内でも種子法廃止や種苗法改定により、「食と農」という命に直結する分野に、グローバル企業が自らの利潤のため進出する可能性が強い状況です。

昨年の記念講演会講師の斎藤幸平さんの言う「脱成長」とは正反対の動きです。ゲノム編集食品については、技術的な面だけでなく社会システムや経済格差など、グローバルな視野が必要となる問題です。

印鑰さんには、普段のニュースなどでは聞くことのできない、ゲノム編集食品の現状と問題点を詳しくお話しいただきます。皆様のご参加をお待ちしております。