4月からの給与に関する2つの改定

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4 月 1 日 か ら 賃 金 の デ ジ タ ル 払 い が 可 能 に な り ま す

労働基準法では賃金は現金払いが原則です。一方、これまでも労働者が同意した場合には、銀行口座などへの賃金の振り込みが認められてきました。

しかし、時代の変化に伴って新たな支払い方法が登場。キャッシュレス決済や送金手段の多様化のニーズに対応するため労働者が同意した場合には、一部の資金移動業者の口座への賃金支払いも認められることになりました。

賃金の支払いは選択肢の一つ。デジタル払いを導入した事業所においても、全ての労働者の現在の賃金支払い・受け取り方法の変更が必須となるわけではありません。

なお、労働者が希望しない場合は、これまで通り銀行口座などで受け取ることができますし、希望しない労働者にデジタル払いを強制することはできません。

賃金のデジタル払いが可能になります(厚生労働省)

現物給与価額の改訂

また、4月1日からは18県で現物給与額も変更になります。現物給与と言われても想像しにくいかもしれませんが、例えば通勤定期券を事業所から支給されている場合などがそれにあたります。私は若い頃、印刷会社で働いていたことがありますが、そこでは昼食が職員に支給されていました。

今回改訂の対象となったのがこの食事の現物給与価額。こうした現物給与で支給するものがある場合は、その現物を通貨に換算し賃金として金銭と合算で 標準報酬月額の決定を行います。

隣県の山梨、岐阜では今回変更されていますが長野県の変更はありません。  参考までにみてみると長野県の現物給与額は1日3食で710円(別表)。ちょっと考えられない金額ですが、美味しいと仮定するならば従業員にとっては楽園のよう。福利厚生の充実した事業所は職員採用の誘引として考えられるかもしれませんね。

現物給与の価額が改正されます(日本年金機構)

舟越雄祐(舟越社会保険労務士事務所)