パート職員への半日単位有休の与え方

歯科の診療所から
1日6時間(うち、午前:4時間分・午後:2時間)の勤務をしているパートさんが、午後のみ休みを取りたいと申し出た場合に、午後(2時間)で半日分の有給を付与して良いのでしょうか?という質問をもらいました。こんな場合、皆さんはどうしますか?
午後は午前の半分の労働時間なのにそれを半休として同じ扱いにしてよいかというのが相談者の一番の疑問です。

半日単位の有給休暇

最初に確認するのが、パート職員の希望に使用者が同意するかどうかということ。
半日単位の年次有給休暇(以下「半日単位年休」)に関する定めは法律にはありません。そのため、労働者に半日単位年休を付与する義務はなく、また、労働者に対してその取得を強制することもできません。
但し、労働者が希望し、使用者が同意した場合で、かつ、1日単位での取得の阻害とならない範囲なら、労使協定が締結されていなくても、半日単位年休の付与が可能です。
なお、半日単位年休制度を導入する際には、その旨を就業規則に明記しておくこと。そして、半日単位年休を与える日の始業、終業時刻も、就業規則に明示しておく必要があります。(労基法89条1項)

半日単位年休の上限日数

半日単位年休は何日まで与えることができるのでしょうか?この取得日数について法律上の制限はありません。しかし、労務管理も煩雑になり、まとまった労務提供を受けることに支障が生じることもあります。そこで、例えば5回や10回までというように、事業所が独自に上限を設け、就業規則に定めて運用することは何ら問題はありません。

「半日単位」の定義

半日をどのように区切るかについては、次の区分方法が考えられます。
①午前と午後とで区切る(例:午前4時間、午後2時間)
②所定労働時間を2等分する
実務上は①の方法で、昼休憩を挟んで午前休、午後休とすることが一般的ですが、この場合、午前休と午後休とで時間に不公平感が生ずるケースもあります。しかしながら、これは制度上免れ得ないものとされており、①、②のどちらを採用する場合であっても、0.5日分の消化とカウントします。
質問者への回答は、「午後(2時間)で半日分の有給を付与しても良い」ということになります。