アメリカ・イスラエルは2月28日にイランへ先制攻撃
2月28日、アメリカとイスラエルはイランへ先制攻撃を行い、国家指導者の殺害に至るなど、事態は緊張の度合いを高めています。
イランはアメリカやイスラエルと関係のある中東各国へ報復攻撃を行い、またイスラエルはレバノンにも攻撃をし“第2のガザ”といわれるような状況が創り出されています。
一方、ホルムズ海峡をめぐっては、原油輸送に大きな影響を与え、原油先物の急激な価格高騰や石油精製品の生産見通しの不透明化などを引き起こしています。
今号では、本記事執筆時点(3/25)での組合取扱い製品の流通状況を分析します。
中東地域の戦争で起きている問題
組合取扱い製品の中で、最も早く影響が出てきているのは、グローブ・ガウン・マスクです。
グローブは、石油由来のプラスチック樹脂や薬品を原料としており、一部製品に用いられる揮発性のある液体原料は、長期備蓄ができません。
また、不織布も原料は石油であり、ガウン・マスクも供給体制に影響が出る見通しです。
これら、グローブ・ガウン・マスクは、すでに出荷調整が行われており、また、価格改定も予定されていますが、現時点で、価格改定時期・改定幅は未定です。
ナフサの供給見通しは
原油備蓄の放出についてはニュースなどで取り上げられていますが、プラスチック樹脂の原料となるナフサに注目すると、備蓄は20日分ほどで、国内での使用量の6割が輸入、うち7割を中東産が占めています。
この結果、ナフサ原料のエチレン(塩化ビニール樹脂の原料)は、すでに国内で減産が行われています。
ナフサ価格は高値ではありますが、NY市場ではウクライナ戦争の開戦期(2022年2~3月)ほど高値ではありません。
しかし、当時のレートは1ドル115~122円代であり、現在の円安水準を考慮すると、一部メーカーの想定では最悪の場合、ナフサの国内価格が近年で最高値を、大幅に更新することも視野に入るとしています。
ホルムズ海峡の情勢不安が長引いた場合、注射関連製品や容器類をはじめ、様々な製品に影響が及ぶ可能性があります。
停戦や日本政府の外交次第では改善の可能性もあり、先行きは不透明です。
先物市場に振り回される歯科用貴金属
今回、戦争と原油高の影響を、思わぬ形で受けているのが貴金属です。
歯科治療に使用する金属(金・銀・パラジウムなど)は、市場価格に大きく左右されます。
もとより、歯科用金属は公示価格より実勢価格の方が高い、いわゆる”逆ザヤ”状態が続いており、現時点でも解消されていません。
しかし、イランでの戦争以降、貴金属価格は下落傾向で、これは株式市場の下落による損失を補填するため、貴金属が売られたものと見られています。
貴金属価格は反発する可能性もあり、歯科用貴金属についても先行きは不透明です。
協同組合ではこうした動向を注視し、必要な情報提供を行っていきます。
