寒い日が続きますが皆さんは家の暖房をどうしていますか?我が家は2000年から薪ストーブを導入し、その快適さから以来冬の暖房は薪ストーブオンリーです。
なんと言っても揺らぐ炎に癒やされ、温風ではなく遠赤外線で家中暖かくなる心地よさは他の暖房器具にはありません。
自家山林の恵
2008年に自宅を新築した際に、より大型機種に薪ストーブを変更し、お風呂も薪の直火炊きホーロー浴槽にしました。これまた体が芯から温かくなり、ユニットバスでは味わえない心地よさに加え熾火が残っているうちはお湯が冷めません。薪に火を付ける一手間はかかりますが、夏で15分、真冬でも30〜40分でお風呂が沸きます。ここで問題になるのが燃料にする薪の確保です。薪を全て購入すると燃料代がかなり割高になってしまいますが、幸いなことに環境に恵まれ全て自前でまかなえています。
安曇野は果樹栽培が盛んでリンゴや梨の伐採木が割合に手に入りやすいのに加え、20年前から先祖伝来の自家山林(40年程ほとんど放置されていた薪炭林だった山)で、コナラや山桜、ブナ、冬青(ソヨゴ)などの大きくなった雑木を伐り出し薪にしています。チェーンソーも今は7台目となる枝払い用小型トップハンドル機と、50ccガイドバー45cmの大型機を駆使しています。
里山の再生と循環型生活
自分で山の木を伐り出すようになって気づくことはかつての里山がほとんど放置されていること。山林地主の多くが木材価格の低迷により山林に対する興味を失って、利用することもなく、お荷物と思っているようです。私の周囲の山林もしかりで、山で木を伐っているのは私だけです。
手入れされず暗かった山も木を伐り出すようになって、見違えるように明るくなり下草も生え、様々な幼木が再生するようになっています。そのため春にはタラの芽やコシアブラなど山菜が採れ、秋には松茸も採れるようになりました。少なくともうちの自家山林ではかつての里山が再生されつつあるようです。
20年伐りだしてもまだ薪炭林の半分も伐り出せていませんし、20年前初めて伐り出した所では、残した幼木が既に十分薪用材として利用できるほど成長していますから、まさにSDGsな営みができることになります。
“豊かさ”の再発見
木の伐採は晩秋から冬にかけてが旬なのでゲレンデに遊びに行く機会はかなり減ってしまいましたが、冬の休日は春の山菜や秋のキノコを思いながら杣人生活を楽しんでいます。
安曇野市布山歯科医院
布山 徹