「保険医協同組合は、県内で開業する医師・歯科医師で構成される事業協同組合です」と、当組合を説明する時に「事業協同組合」という言葉を使います。
日本国内の協同組合は、構成員によって種類が分けられています。
生協などの消費者が組合員となる消費者協同組合、事業者が自身の事業活動のために設立するのが事業協同組合、あるいは労働者が協同組合を設立する労働者協同組合などがあります。
こうした違いが生じるのは、日本国内での監督官庁の違いにより、根拠法が異なることが一因です。
協同組合と一般企業との違い
協同組合は、組合員どうしの助け合いを基本としに、組合員が必要とする活動を行います。
一般の企業との違いは、組合の運営に対して一人一票という、出資金の大小に関わらず決定権が平等であること(出資金の大小で決定権が左右される株式会社などとの違い)、営利追及が事業の第一目的ではない、といった点が挙げられます。
また、協同組合の活動は、組合員の利益のみを追求せず、多様な利害関係者を設定し、様々な影響を考慮しながら行われなければならないのが大きな特徴です。
こうした多様な利害関係者のことを、「マルチステークホルダー」と呼びます。
協同組合の活動は、一つの取引によって、関係する多くのステークホルダーに、それぞれどのような影響が及ぶかを見極めながら行う必要があるのです。
こうした点は、新自由主義と協同組合活動との最も大きな違いです。
消費者運動が起源の「安心・安全」
現在では企業の売り文句にも定着した「安心・安全」は、もともと、生協など消費者運動が提唱し、実践したものでした。
「食の安心・安全」と言ったときに、添加物、遺伝子組替え、残留農薬、防腐剤など、様々な言葉が想起されます。
生協では、古くは1960年代から、発がん性が疑われる人工甘味料チクロの使用禁止を求める運動などを行い、消費者目線で安心・安全を確立してきました。
また、一方的に生産者に要求するだけでなく、消費者も生産の現場を学び、生産者と話し合いながら、共に活動することで、本当に安全な食物が、安心して消費できる体制を、持続的なものにできるのです。
消費者の利益のみの追求で、価格競争など生産者にしわ寄せがいき、持続的な活動ができなくならないよう、協同組合は生産の段階から目を配るのです。
他の協同組合との連携など新たな活動の模索を
生協運動は現代の課題に向き合い、新たな活動を起こしており、生活クラブ生協では、消費者である組合員が産地に移住し、生産やケアを行うといった、従来の“消費者―生産者”という枠組みを越えた活動(住まう、働く、学ぶ、育てる、介護)を始めています。
また、現代社会の複雑な課題と、様々なステークホルダーのため、複数の協同組合が連携して課題解決にあたる協同組合間協同の取り組みがあり、総合的な協同組合をつくることが難しい日本国内での活動に、新たな道筋を示しています。
保険医協同組合でも、組合員から一定の支持を受けている従来の活動を維持しながら、生産現場について知ることや、他の協同組合との連携を模索するなどの新しい活動が求められます。
事務局 中瀬
