長野労働局が発表した「育児休業給付の支給ベースでの男性と女性の割合」(最近の状況)によると
・1日でも取得した割合
男性 22% 女性78%
・支給金の割合
男性7% 女性93%
と男性の支給割合が著しく低い状況が見て取れます。
こうした実態は全国共通で、今回の改正では、主に男性の育児休業取得を促すために出生時育児休業給付金が創設されるとともに育児休業の分割取得が可能となりました。
この項では、新たに創設された「産後パパ育休」(出生時育児休業)を主体に改正育児・介護休業法を運用するための実務についてみていくことにしましょう。
男性の育児休業取得促進のための出生時育児休業(産後パパ育休)の創設
育児休業制度は、1歳未満の子どもを養育するために法律で定められた制度。男性の育児休業期間は、配偶者の出産予定日から1歳になる前日まででますが、女性は産後休業をはさむため、男女で育休期間は異なります。
従来の制度と今年10月から始まった育児休業制度の違いはズバリ3つ。(※下表参照)
1つ目が、分割して2回まで取得できるようになったこと。産後パパ育休では最初にまとめての申し出が必要ですが、こちらは休業ごとにそれぞれ申し出をします。
2つ目は、これまで1歳もしくは1歳半としていた1歳以降の延長時での育休開始日を柔軟化したこと。
3つ目は、1歳以降の再取得。10月からの新しい制度では特別な事情がある場合に限りという限定付きですが、出来るようになりました。
産後パパ育休が始まりました。
産後パパ育休の正式名称は出生時育児休業、出生後8週間までに取得できる育休のことです。そのため子供が1歳になるまでに取得できる、従来の「育児休業」とはこの点が違っており、育休とは別に取得することができます。
産後パパ育休の対象期間は、子供の出生日から8週間以内。この期間に、最長4週間まで休業することができます。
また、この4週間に2回まで分割して取得することが可能。
なお、これまでの育児休業制度ではなかった「休業中の就業」が労使協定を締結することで、労働者が合意した範囲で休業中に就業することが可能というもの。この点が従来の育児休業制度とはと大きく変わっているところです。
【申し出期間の延長】※1 雇用環境の整備などについて、今回の改正で義務付けられる内容を上回る取り組みの実施を労使協定で定めている場合は、1か月前までとすることができます。
【休業中にも就業が可能~具体的な手続きの流れ~】※2
①労働者が就業してもよい場合は、事業主にその条件を申し出 ②事業主は、労働者が申し出た条件の範囲内で候補日・時間を提示(候補日等がない場合はその旨) ③労働者が同意
④事業主が通知
1.産後パパ育休(出生時育児休業)が始まります
2.申し出期間の延長