顎関節症治療に有効D-ファンクション

D-ファンクションは伊藤超短波株式会社製品で、顎関節症の治療に使用する機械です。
 顎関節症では、顎関節円板障害や咬筋を中心とする咀嚼筋痛障害への対処として鎮痛剤や筋弛緩薬の処方やスプリント療法を行うことが多くあります。
 これらの方法は日本顎関節学界の治療方針記載のものですが、即効性や十分な効果が得られないこともあり、お悩みの歯科組合員も多いのではないでしょうか。
 顎関節症の治療には先述の薬物療法の他にD-ファンクションなどの電気刺激で顎関節や咀嚼筋の疼痛緩和をはかる理学療法があります。
 D-ファンクションは、古くから臨床使用されてきたマイオモニターとは異なる機械で、経皮的末梢神経電気刺激装置(TENS)にあたります。

小型で軽量な D-function

TENSの作用による鎮痛メカニズムは、代表的なものとしてゲートコントロール理論があります。これは電気刺激によって侵害刺激を伝えるゲートをコントロールし、疼痛を軽減させるというものです。
 ゲートコントロール理論の作用には、即効性のある疼痛軽減効果および、治療後の疼痛軽減効果があると考えられ、D-ファンクションに用いられています。
 D-ファンクションはは充電式で大きさも 縦15cm×横8.4cmと大型のスマートフォンとほぼ同じ大きさで、重量約230グラムと軽量です。
 また歯科用治療機器としての薬事承認が得られており、医H002 運動器リハビリテーション料85点が請求できます。実施に際しては1単位最低20分、実施時刻と治療内容の記載が必須です。
 実施者は原則、歯科医師ですが、歯科医師の指導の下であれば歯科衛生士が実施することもできます。