安全な診療のために~尾内安彦さんの医療安全講習会を開催~

health workers wearing face mask

長野県保険医協同組合では、尾内康彦さんを講師に招いて、12月17日(日)14時から医療安全講習会を開催いたします。元大阪府保険医協会参与の尾内さんは、医療機関でのトラブル相談に携わり、これまでに数多くの事例に対応してきました。

『日経ヘルスケア』での連載をはじめ、トラブルと解決に向けての対応方法に関する著作も多く、「なにわのトラブルバスター」とのふたつ名も。尾内さんはトラブルとその対処のみに終わらず、トラブルの傾向や原因の分析を行っています。
そのため講習会では、現在の社会状況と医療機関でのトラブルとの関連を理解でき、その場しのぎの対応に終わることがありません。

在宅医療で身の危険を感じた経験はありますか?

コロナ禍前後で尾内さんの講習会の内容を比べると、対応に非常に苦慮する”モンスターペイシェント”のトラブルは減少傾向にあり、インターネット上でのトラブル増加の傾向が見えます。ネット上のトラブルは不特定多数の人間が閲覧可能という点で、被害の全貌がつかめないという特徴があります。一方で、近年の新たな問題は、医師・歯科医師が患者やその家族によって殺害される事件が相次いで起きていることです(大阪2021、埼玉2022)。


朝日新聞のアンケートでは、在宅医療を行う医師の4割が身の危険を感じたという回答結果も。尾内さんは、こうした事件は従来のモンスターペイシェントではなく、社会に余裕がなくなったことで、いわゆる普通の市民によって起こされるのではないかと分析します。

自己責任論で自助・共助が求められ、それにもかかわらず物価高騰などから実質賃金は下落しており、生活苦に陥る人が増加すると、トラブルは今よりも増加する可能性があります。

こうしたトラブルから、医師・歯科医師自身やスタッフを守るためにどうするか?講習会では、尾内さんが事件への理解や、具体的な対応方法、またその基本となる「応召義務」の理解の仕方を裁判事例や2019年12月の通知から説明します。
講習会はオンラインでの開催で、参加費は無料です。近日中に組合のホームページや、講習会案内チラシによって、参加申し込みのご案内をいたします。